ニューヨーク 最後の夜 - America vol.2 -西日が空き地のフェンスの編み目に差し込み、空に紺とオレンジの絵の具が混ざり始めた頃、憧れの地を堪能した充足感を抱えて帰路のつこうと、ハーレム25丁目の駅でメトロの到着を待ってた。すると、不意に、東洋人の男性に日本語で声をかけられた。 「日本人ですか?」...