カオサンロード - Thailand vol.2 -
- Ryusuke Nomura
- 2011年2月27日
- 読了時間: 3分

空港からカオサンロード直通のバスが出ているとのことで、とりあえずそれに乗り込みカオサンロードを目指すことにした。確か、150バーツ(約450円)。高いのだか安いのだか分からない。バスの中から流れる景色を見ていると、高速道路らしきものや、いくつもの高層ビルが見え、僕を乗せたバスが走っている道路は、日本と同じように舗装されている。この部分だけを見ると、「あれ? 日本とそんなに変わらないな」と思ってしまう。僕の中でのバンコクのイメージと、実際のバンコクにはギャップがあったようだ。おそらく、これから先もこのイメージと現実のギャップを感じることの繰り返しになるだろう。やはり何事も、実際にこの目で見てみるまで分からない。バスに揺られること約1時間。停留所のような所で旅行者風の欧米人が降りようとしていたので、カオサンロードに着いたのだと思い、彼の後に続いて降りてみる。降りてしばらく歩いたが、宿も旅行者も一向に見当たらない。どうやら降りる所を間違えてしまったらしい。
通行人に聞くと、10分程歩けば着くとのこと。道を教えてもらいしばらく歩くと、無事にそれらしい通りに出ることができた。旅行者とおぼしき欧米人の姿が目立つ。道の両脇には屋台やレストランが軒を連ね、とにかく賑やかで楽しげな雰囲気で溢れている。おそらくここで間違いないだろう。ひとまずホッとしたが、すぐに今晩泊まる宿を決めなければならなかった。昨日の夜は空港のベンチで寝て疲れていたので、とにかくもうどこでも良いと思い歩いていると、「さくら」という日本語の看板が目に入った。日本人宿というのが世界各地にあるとは聞いていたが、ここがそうなのかもしれないと思い入ってみると、やはり宿泊客は全員、日本人だった。部屋はドミトリーで一泊150バーツ。部屋は汚かったが、バックパックは重たかったし、もう疲れていたのでここに決めた。もし泊まってみて良くなければ、他にも宿はたくさんあるのだから。

日本人宿のため、あまり海外に来た感じはしなかったが、旅のスタートととして周辺国の色々な情報を仕入れられるのは良いと思った。一口に日本人といっても、この宿には様々な人が泊まっていて、18歳で世界一周中の人や、学生で夏休みを利用してきている人、自分と同じように仕事を辞めてきた人、日本で半年働いて物価の安い国で半年過ごす生活を続けている人など、年齢もバックボーンも自分と違う人たちばかりで、「生き方」というのは色々あるものだなと、そんなことは本来当たり前なはずなのに、この時初めてそう感じた。というか、ここでは日本でならば淘汰される「生き方」であっても、そのすべてを受け入れてくれるような雰囲気があり、もしくは、そう錯覚させるような何かがあった。
後になって知ったことだが、カオサンロードはこの宿のある通りではなく、ひとつ隣の通りのことで、本物のカオサンロードは人の数も賑やかさも、この通りの倍くらい。昼間も賑やかだが、夜はもっと賑やかだ。そう、カオサンロードの本領が発揮されるのは、まさにその夜で、町中には欧米人向けの音楽が鳴り響き、酔っぱらった旅行者が所狭しと闊歩する。まるで、毎日がお祭り騒ぎだ。完全に観光地化されている。確かにお祭り騒ぎで楽しいのだけれど、観光客を受け入れる体制が整いすぎていると不自由をすることはないが、どこか物足りなさを感じてしまう。それに、人が多すぎるのも、それによってゴミゴミしている町もあまり好きではない。ここにあと2、3日滞在して情報を仕入れたら、早々と次の場所へ移動した方が良さそうだ。

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