

アラビアの古都 - Syria vol.1 -
シリアへ。翌朝、バスターミナルに戻り、バスでシリア国境を目指した。荒れ果てた荒野の一本道を、ひたすらに突き進む。時折、小高い山々の稜線が、シリアへと向かう張りつめた気持ちを若干和ませながら、僕を乗せたバスは、シリア国境へと進んで行った。...


シリアへの道 - Turkey return vol.1 -
帰りの飛行機はシリア発だったので、一度トルコに戻り、そこからシリアに行かなければならなかった。なぜ、シリアからにしたのかと言うと、僕はずっと、「中東」という地域の持つ、ただならぬ魅力に取り付かれていた。具体的に何かと言われると答えに詰まったが、イスラム教を軸とする、中東地域...


プロウディフ旧市街観光記 - Bulgaria vol.3 -
純粋に、観光について。多くの場合、旅や旅行における最大の目的は、観光であると思う。この僕も、他聞に漏れず、フラフラとした旅の中で、その作業をサボりながらもこなしていた。ブルガリアの旅におけるそれは、プロウディフの旧市街ということになる。...


色と光 - Bulgaria vol.2 -
プロウディフに行くことは、エディルネにいた時から決めていた。首都のソフィアを目指すのが普通なのだろうが、イスマイルに 「ソフィアは危険だ」 と口酸っぱく言われていたので、僕自身、あまり大きすぎる都市は苦手ということもあり、スヴィレングラードからそんなに時間のかからない、ブル...


未知の国 - Bulgaria vol.1 -
トルコとブルガリアの国境へは、エディルネの町から、公共バスで30分程だった。国境の目の前でバスを降ろされ、歩いて国境に向かう。車での通行がメインの国境のようで、高速道路の入り口のような造りになっていた。周りを見ると、車での国境越えばかりで、歩きは僕一人のようだ。まず、トルコ...


エディルネの思い出 - Turkey vol.2 -
イスタンブールでガラタサライの試合を観戦し、満たされた僕が次に向かったのは、エディルネという小さな町だった。エディルネは、トルコ最西部の田舎町。イスタンブールから、バスで約3時間の所にあり、これといった観光資源もない。イスタンブールの喧噪が嘘のようにのんびりとした町で、同時...


赤と黄の夜 - Turkey vol.1 -
一旦、日本に戻り、どこへ行きたいのかを考えた。不思議と、ヨーロッパにはあまり興味がわかなかった。しかし、トルコという国はその広大な国土を、アジアとヨーロッパに挟まれ、その両方の文化が入り交じっているということは、ガイドブックなどを見ると必ず目にする、トルコの「売り文句」だ。...


天国 - Nepal vol.4 -
ミニトレッキングには、宿が用意した、ネパール人ガイドのハッピーと二人で出かけることになった。宿から車で10分程走り、登山口のような場所で降ろされた。そこから登山を開始するわけだけれど、実は出発の日の朝、僕は少し風邪気味だった。このミニトレッキングに行こうか行くまいか迷ったが...


思い描いていたネパール - Nepal vol.3 -
カトマンズからポカラへ。ビザの関係で、3週間という限られた滞在期間の中、ネパールでの移動の予定は、入国前にあらかじめ決めていた。 カトマンズから、ガタガタした山道を走ること、約7時間。当然、発展途上国のネパールの道は、舗装などなされていない場所がほとんどだ。車内に流れるお決...


国の価値 - Nepal vol.2 -
カトマンズの夜は静かだ。それは、旅行者の集まる、タメル地区でも一緒だった。正確に言うと、静かというより、することがないという方が正しい表現かもしれない。バンコクのように、クラブやバーが点在しているわけでもなく、せいぜい旅行者向けのレストランがあるという程度だった。しかし、旅...