

国の価値 - Nepal vol.2 -
カトマンズの夜は静かだ。それは、旅行者の集まる、タメル地区でも一緒だった。正確に言うと、静かというより、することがないという方が正しい表現かもしれない。バンコクのように、クラブやバーが点在しているわけでもなく、せいぜい旅行者向けのレストランがあるという程度だった。しかし、旅...


新しい国と子どもの物乞い - Nepal vol.1 -
カンボジアからタイのバンコクに戻り、次はインドかネパールのどちらにするか悩んでいた。インドはビザの取得が事前に必要で、それはすでに日本で済ませていた。旅に出る前から、インドには行く気はあったのだ、しかし、帰国予定日は、あと一ヶ月後だった。インドは広く、見所も多い。さらに、イ...


過去と現在2 - Cambodia vol.3 -
プノンペンまでは、バスで約5時間の移動。道路は「とりあえず」程度で舗装されてはいるものの、やはりデコボコで、一定のリズムでガタガタと揺れていた。景色には、山のような高さのあるものが見当たらず、車窓の一面は見渡す限りの平面で埋め尽くされた。そのほとんどは田んぼのようで、一体誰...


過去と現在1 - Cambodia vol.2 -
カンボジアでの日常、町の空気、食事。そのどれもが今までの国とは異なっていた。とりわけ、食事については、特に苦労しそうな印象を受けた。隣国のタイ料理は、スパイシーで香辛料がキツイけれど、その分、それぞれの味がはっきりとしていて、食べていて口の中で様々な発見があり、食事の度に楽...


アンコールワットとモノの価値 - Cambodia vol.1 -
バンコクでデモを見た僕は、もうここで見るべきものは、すべて見てしまった感があった。あるいは、無理矢理にでもそう思わなければ、ずっとここにいてしまいそうな気がして、そう思うように気持ちを操作したのかもしれない。そして、色々と考えた末に、次は、カンボジアに行くことにした。多くの...


デモ運動に見るタイ人の気質 - Thailand return vol.2 -
ノーンカーイから、もう一度ラオスに入国しようかとも考えたが、とりあえず、バンコクに戻り、それから考えることにした。バンコクに行けば、カンボジアでも、ベトナムでも、近隣の国には直通のバスが出ている。選択肢が広がるのだ。そして、決断することを制限時間ギリギリまで伸ばすことで、広...


メコン川の夕暮れ - Thailand return vol.1 -
ラオスのビザなしでの滞在日数は、二週間と定められている。その日数をすべて消化してしてしまいそうだった僕は、ひとまず、タイに戻ることにした。行き先は、ラオスの首都・ビエンチャンから、メコン川を挟んだ対岸にある、タイ北部の町・ノーンカーイ。バンコクからラオスに行く時には、スルー...


自然の中で考えた文明社会 - Laos vol.4 -
そんな調子で、バンビエンを満喫することになった僕は、早速、次の日から、町を散策し始めた。泊まっていたゲストハウスは、バナナとコーヒーの朝食が無料だったので、それらを平らげた、しばらくゆっくりすると、ぶらぶらと町を歩き出した。町と言っても、本当に小規模で、観光客が来るようにな...


小さな出逢い - Laos vol.3 -
バンビエンには、当初の僕の印象を覆す程の魅力が、たくさん詰まっていた。バンビエンに着いて、素晴らしいロケーションと、それとは逆に、観光地化されてしまった様子に落胆しながらも、夕食を食べるため、カフェのような、食堂のような、一言で言い表せないような店に入った。思えば、バスが遅...


田舎を目指して - Laos vol.2 -
ラオスの首都ビエンチャンを満喫した僕は、バスで約三時間、バンビエンという田舎町を目指した。首都のビエンチャンでさえこんなにのんびりしているのだから、他の町はさぞかし田舎なのだろう。東京生まれ東京育ちで、田舎という言葉に憧れを感じる僕は、そんな期待を胸に抱きながら車中を過ごし...